《 蛙の子は蛙 》
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《 蛙の子は蛙 》_01

「防災スポーツ合宿」に参加した女子の父から手紙が届いた。

長文ですがぜひお読みください。感動を御裾分け致します。

娘が夏休みの課題作文を書いていました。

合宿の発案者としては少しは意味があったのかなぁ?と、娘の作文を読んで思いました……

スクールの保護者に聞いてみましたが、やはり夏休みの課題作文に今回の体験をテーマに書いている子が多いみたいです。

正直言って、この合宿やって良かったです! 杉原

「夏休み旅の体験」
京山中学校 2年女子 杉原七都

平成23年3月11日、日本は迫り来る恐怖と大きな悲しみにつつまれた。
3月11日金曜日14時46分宮城県牡鹿半島の東南東沖、仙台市の東方沖の海底を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生。
地震の規模はマグニチュード 9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震だった。
最大震度は宮城県で観測された震度7で、この地震により、最大で高さ10m以上の巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらした。

平成28年3月10日時点で、この震災による死者・行方不明者は18,455人、となっている。
そして、5年後の今年、 熊本県、大分県を震源とする地震が起きた。平成28年4月14日21時26分以降に熊本県と大分県で 最大震度が6強の地震が2回、6弱の地震が3回 相次いで発生し、今も時おり震度3レベルの余震が続いている。

この2つの大きな震災被害を受け、いつ起こってもおかしくないとされる「南海トラフ地震」について政府も公式に発表している。
岡山市が発表している資料によると、マグニチュード9.1の地震が起きた場合、岡山市には地震から約2時間50分後に津波の第一波が到達し、その最大津波高約2.6メートルとなり、南区、中区、東区の一部は、広範囲に浸水する。

岡山は最大震度6強の地震に見舞われ、どんな被害が想定されるかというと、
死者1200名
建物倒壊3万4000棟
浸水面積12.3平方キロ
直接被害額3兆2000億円
避難者数10万人(1日)
避難者数25万人(1週間)
断水被害130万人
停電120万軒
ガス供給停止3万戸
となる。

8月3日、私は、通っているサッカースクールのサマーキャンプに参加する為、小田郡矢掛町にた。
このキャップは、「スポーツと防災」がテーマとなっていて、日中はサッカーのトレーニングを行い、夜は震災を想定した避難所体験をしながら宿泊するというものだった。

避難所体験をするのは矢掛町にある「バート未来防災研究所」という施設だった。
この施設は、数年前に廃校になった矢掛商業高校の後をバートインターナショナルが借りて、防災についての情報を発信していく基地にしている。
校舎や運動場、体育館もそのまま残っていた。

近くの矢掛町総合運動公園で夕方までトレーニングして、1.5キロの道のりをランニングで帰った。
そして、ここから避難所体験がスタートした。

「サッカーの遠征に来ている時に地震が起こり、皆で地域の避難所に避難してきた」という想定だった。

戻ると、保護者やスタッフの人達が、炭をおこしてバーベキューの準備をしてくれていた。
日が暮れて、校内は真っ暗になった。照明は、校舎におかれた本部の窓から漏れてくる灯りと、避難所と書かれ、発電機に繋がれた大きな行灯(あんどん)だけだった。
その中で皆並び、紙皿の上に炊き出しの御飯や肉を乗せてもらい、地面や階段に座って食べた。
食事の後、教室に移りバートの田所さんが防災についての話をしてくれた。

被災したら、どんな状況になるのか、その時、何が大切か、どう行動しなければならないのか、とても興味深い話が聞けた。

一番頭に残った事は、自分達子供は、とにかく自分が助かる事だけを考えて行動するという事。自分の命は自分でまもる。大人が子供を気遣う事で被害が大きくなるという生々しい内容だった。

宿泊は、体育館1階にある柔剣道場だった。

入口の横にスタッフがいて、受け付けを行っていた。
順番に並び、名前、年齢を伝えた。生存確認の上でとても大事な事だと教わった。
受け付けを済ませると、段ボールと500ミリリットルの水を手渡された。
それが現段階で支給された救援物資という想定だった。

中学生から小学校低学年まで50名が避難していた。
エアコンは勿論無く、柔道用の畳一畳が一人のスペースだった。
自分の場所を決め、段ボールを敷布団にして寝た。寝苦しく、なかなか眠れなかった。
「本当に被災したら、こんな夜を何日も過ごさなくちゃならないのかぁ」と、そんな事を考えて眠った。

トイレは1ヵ所だけだった。水は流れたが、本当に被災したら顔を洗う水どころか、この水さえ流れないのかと思った。

わずか1泊だったが、避難訓練ではわからない多くの事を知った。
自宅で暮らしている日常がいかに便利か知った。

不自由を知る事で、被災時に何が大切かがわかった。

明日、被災者になるかもしれない。
その時、備えるだけでは足りない。
体験する事で生き延びる知恵が備わった気がした。

追記:50人を超える子供たちの「素の感性」が感じてくれた暑い真夏日の防災スポーツ合宿でした。

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